【会社員 高次脳の見過ごしを防ぎ6000万円獲得】【333】【A8】
ご相談、受任の経緯
- 本人とご家族から、「診てくれていた医師との関係がうまくいっていない。そのこともあって今後のことが不安であり、また今後どのように保険会社とのやりとりや後遺症の手続きを進めていいのか全くわからないので相談にのってほしい」ということで来所されました。
- 当事務所で本人と家族から確認したところ、本人には高次脳機能障害の典型的な症状がみられましたが、病院の医師は、後遺症はないというような対応をしており、不適切な対応がなされていると感じました。
- そのため、病院より画像と診療録を取得して精査したところ、画像上脳挫傷の画像所見が明確に認められました。また、診療録の内容を確認したところ、医師は本人に対して適切なフォローを行っていませんでした(脳の画像に異常所見が認められるにもかかわらず、医師は画像に異常なしと診断していました)。
- そして、本人と家族と信頼関係が壊れている病院に対して、今後も治療や検査を依頼し、かつその後の後遺障害等級の申請のために必要な検査や後遺障害診断書の作成を依頼することは困難であることが予想されました。
- そのため、高次脳機能障害の専門の病院に転院の上、必要な検査を行った上で後遺症の申請をするという方針をとることにしました。
解決内容
後遺症の申請手続
当事務所で、病院同行を何度も行い、後遺障害等級の認定を受けるための後遺症サポートをしっかり行って当事務所で後遺障害等級の申請をした結果、高次脳機能障害について7級4号、肩可動域制限で12級6号の併合6級の認定を受けることができました。
裁判等
- その後、相手方保険会社に賠償請求したところ、相手方保険会社は、高次脳機能障害の7級4号及び肩可動域制限の12級6号を否定してきました。
- そのため、裁判等の法的手続きへ進み、その結果、当方の主張が全面的に認められ、6000万円の支払いを受けることができました。
弁護士のコメント・注意点
1 高次脳機能障害は病院でさえも見過ごさしてしまうことがあること
- 高次脳機能障害の特徴はなんといっても見過ごされるおそれがあることです。 そして、この見過ごしは医師でもおきてしまうので注意が必要です。
- 本ケースでも、当事務所が脳の画像をチェックしたところ、脳挫傷の異常所見を見つけ、自賠責でも脳挫傷の画像所見があることを認定しているにもかかわらず、当初担当していた医師は見落としていました。
- そのため、最初の病院のお医者さんに異常がないと言われたとしても、事故前にはない①物忘れの症状、②怒りっぽくなった、③疲れやすくなったという症状が出ている場合には、あきらめるのではなく、高次脳機能障害について専門性と実績のある弁護士に相談することが必要です。
- 当事務所では、これまでにお医者さんから理解してもらえず途方に暮れている被害者の方を何人も救済して後遺障害等級を獲得していますので、迷わずご相談下さい。
2 後遺症の申請手続きを保険会社に任せていけないこと
- 高次脳機能障害のケースでは、後遺症の申請手続きは高次脳機能障害について専門性と実績のある弁護士に依頼しなくてはなりません。保険会社に後遺症の申請手続きを任せては絶対にいけません。
- 本ケースでは、最初の病院で明らかな誤診がありましたが、保険会社は、その誤診部分の診断書の記載をとりあげて自賠責で認定された後遺障害等級を争ってきました。
- もちろん、相手方保険会社の主張は不合理で理由のないものですので、裁判の中で一蹴させて当事務所の主張を全て認めさせました。
- ただ、問題なのはこのような保険会社の姿勢に保険会社の考え方がはっきり示されているということです。
- つまり、保険会社は、医師が明らかに誤って診断した部分を取り上げて、等級を認めようとしないのです。このような被害者を軽視した態度をとる保険会社に後遺症の申請手続きを任せた場合、適正な等級の認定が受けられなくなることは明らかでしょう。
- 高い等級が認定されれば高額な賠償額を支払わなければならない保険会社は制度の仕組み上、真剣に後遺障害等級を獲得するために活動することはありません。むしろ、後遺障害等級を否定する材料を探すために必死で活動します。