脊柱の圧迫骨折

自動車の横転や転落、バイク、自転車の転倒等で頻繁に発症しています。 つまり、脊椎を構成する椎体に縦方向の重力がかかると、上下に押し潰されて圧迫骨折するのです。好発部位は、第11胸椎、Th11~第2腰椎、L2です。

骨粗鬆症が進行している高齢者では、軽微な追突事故であっても、その衝撃で、胸椎や胸椎と腰椎の移行部で圧迫骨折を発症することがあります。

脊柱の圧迫骨折は、骨折のご相談の中でもかなり多い方です。
そして、ご相談内容としては、「後遺障害等級11級7号の『脊柱に変形を残すもの』に該当するのと結果が出たのですが、この結果は適正なのでしょうか?」というものが1番多いですが、これから後遺障害等級の申請を考えている方のご相談も多いです。

脊柱の圧迫骨折における後遺障害のポイント

圧迫骨折(脊柱の変形障害)については、
①脊柱に著しい変形を残すもの、
②脊柱に中程度の変形を残すもの、
③脊柱に変形を残すもの
の3段階で等級が認定されています。

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そして、脊柱の圧迫骨折(脊柱の変形)のなかでもっとも多い症例は、後遺障害等級11級7号の「脊柱に変形を残すもの」ですが、次のいずれかに該当する場合になります。

・脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがXP等により確認できるもの
・脊椎固定術が行われたもの
・3椎以上の脊椎について、椎弓切除術等の椎弓形成術を受けたもの

固定術を受けている場合、11級7号は認定されるのですが、ここからが弁護士の腕の見せ所になります。

術後の被害者に、上・下肢の麻痺、強烈な痺れ、上・下肢の疼痛、排尿障害など、重篤な脊髄症状が残存していれば、神経系統の機能障害で等級の獲得を目指す必要があります。障害の程度により、9級10号、7級4号、5級2号が選択されています。

当事務所では、①椎弓形成術の施行が受けていて11級7号が認定されていた相談者について異議申立てを行った結果5級2号が認定されたケースや②脊椎固定術が行われていた相談者について後遺障害等級申請をして神経系統の機能障害で9級10号を獲得しケース等があります。

脊柱の破裂骨折

脊柱の圧迫骨折は、椎体の前方壁が楔状骨折するもので、多くは、脊髄神経には影響を与えません。

ところが、破裂骨折は椎体の前方の壁だけではなく、後方の壁も圧迫骨折しており、交通事故では、ほとんどのケースで、脊髄症状、麻痺、シビレ、脚の痛みなど、重篤な症状を示します。

これらは胸椎下部~腰椎上部に多く発生しています。 交通事故による脊柱の破裂骨折では、ほとんどが、緊急手術による固定が選択されています。

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脊柱の破裂骨折では、多くが、受傷直後に緊急オペで固定されています。 固定術を受けており、これによって11級7号は認定されるのですが、ここからが弁護士の腕の見せ所になります。 当然に、著しい変形なのか、中程度の変形であるのか、つまり、6級5号、もしくは8級2号の可能性について、画像から真剣に検証することになります。

また、術後の被害者に、上・下肢の麻痺、強烈な痺れ、上・下肢の疼痛、排尿障害など、重篤な脊髄症状が残存していれば、神経系統の機能障害で等級の獲得を目指す必要があります。 障害の程度により、9級10号、7級4号、5級2号が選択されています。

後遺障害の立証では、後遺障害診断書以外に、「脊髄症状判定用」 の用紙を提出し、肩・肘機能、手指機能、下肢機能、上肢・下肢・体幹の知覚機能、膀胱機能、日常生活状況について、検査と結果の記載をお願いしなければなりません。