事故態様

相談者は、20代の女性で、横断歩道を青信号で横断中に、右折してきた普通乗用自動車に衝突されるという交通事故にあいました。

ご相談のきっかけ

被害者の方とご家族の方が、他の弁護士事務所に相談にいったところ、裁判を起こしても費用面でマイナスかせいぜいトントンであり、交渉で解決すべきと言われたが、そのことが本当かどうかわからないということでご相談に来られました。

解決のための基本方針

・醜状障害のケースでは、保険会社は、後遺障害逸失利益という将来の減収分については交渉ではまず支払いませんが、裁判をすれば後遺障害逸失利益が認められます。
・被害者の方が最初の相談に行った東京の法律事務所は、宣伝で全国各地から依頼を受けているものの、交通事故については東京で一括管理して裁判を行わないという方針をとっている事務所でした。こともあろうか、その事務所は、裁判をしない事務所であるにもかかわらず、「裁判を起こしても費用面でマイナスかせいぜいトントンである」と虚偽の事実を述べて(もしくは交通事故の経験が少ないために本当にそのように考えたのか)受任しようとしていました。おそらく提示額から少しだけ上げて和解しようとしていたと思われます。
・そこで、保険会社の提示額は著しく低く、裁判を行えば裁判をすれば後遺障害逸失利益が認められるので適正な補償を受けることができる旨説明し、お受けしました。

解決内容

裁判を起こして、従前はゼロ回答であった後遺症逸失利益について1400万円の支払いを認めさせ、その他慰謝料等でさらに600万円増額させ、トータルで当初提示額より2000万円増額させる内容での賠償の支払いを受けることができました。

弁護士のコメント

・醜状障害のケースでは、保険会社は、後遺障害逸失利益という将来の減収分については交渉ではまず支払いません。
・しかし、醜状障害においても、裁判をすれば後遺障害逸失利益が認められることが多いです。
・本件のケースでも、裁判をすることで後遺障害逸失利益の支払いを受けることができ、後遺障害逸失利益だけで1400万円の支払いを受けることができました。
・本件において問題なのは、醜状障害のケースで後遺障害逸失利益の支払いを行わないという保険会社の対応もさることながら、被害者の方が最初の相談に行った東京の法律事務所の対応です。その事務所は、宣伝で全国各地から依頼を受けているものの、交通事故については東京で一括管理して裁判を行わないという方針をとっている事務所でした。こともあろうか、その事務所は、裁判をしない事務所であるにもかかわらず、「裁判を起こしても費用面でマイナスかせいぜいトントンである」と虚偽の事実を述べて(もしくは交通事故の経験が少ないために本当にそのように考えたのか)受任しようとしていました。おそらく提示額から少しだけ上げて和解しようとしていたと思われます。
・このような被害者の利益を著しく損なうような対応は非常に問題ですが、被害者の方も交通事故において適切な賠償を受けることは自己責任であり、適切な弁護士に依頼することも自己責任の内容であるということも理解しておく必要があります。
・交通事故のケースにおいては、交渉で解決することも多いですが、裁判をすることが絶対に必要な場合もあります。まさに本件の醜状障害のケースは裁判をしなくてはなりませんでした。被害者の方及びご家族の方も最初に相談にいった事務所に頼まなくて本当に良かったと話しておられました。
・醜状障害のケースでの解決は裁判を見据えた対応が不可欠ですので、醜状障害が残っている方は早めにご相談下さい。