【異議申立てにより3等級アップ、2700万円増額】【397】【A25】
ご相談、受任の経緯
- 「保険会社に後遺症の手続きを任せてしまい、脳挫傷による神経症状で12級13号の認定を受けて、1000万円の示談金の提示を受けた。このまま示談を進めていいのかわからず不安になっていたところ、以前当事務所で受任して高次脳機能障害で後遺障害等級を獲得した方のご家族の方からの紹介を受けた。ぜひ相談にのってほしい」ということでご来所されました。
- そして、当事務所で自賠責に提出されていた資料を精査しところ、提出されていた書類の内容も誤っており、必要な検査も全くなされておらず、保険会社の後遺症の申請手続きの内容はずさん極まりないものでした。
- このまま12級13号を前提として示談してしまった場合、被害者及びご家族の将来の生活が破綻し、非常に大きな不利益を受けることが確実に予想されました。
- そして、当事務所が被害者の症状、画像等を精査したところ、異議申立て手続きを当事務所が実施すれば、まだ挽回がきき、上位の等級が認定される可能性が強いと考えらえられました。というよりも、当事務所が対応して何としても被害者を救済する必要がありました。
- そこで、当事務所であれば、今後異議申し立ての手続きをとって高次脳機能障害として上位の等級を十分に獲得することができる可能性があることを説明し、当事務所が受任することとなりました。
解決内容
異議申立て
当事務所で、病院同行を何度も行い、後遺障害等級の認定を受けるための後遺症サポートをしっかり行って当事務所で異議申立てをした結果、高次脳機能障害であると認定され、後遺障害等級9級10号が認定されました。
保険会社との交渉
その後、保険会社と交渉して、当初提示額から2700万円も増額させることができました。
弁護士のコメント・注意点
1 後遺症の申請手続きを保険会社に任せていけないこと
- 後遺症の申請手続きは保険会社に任せてはいけません。ましてや高次脳機能障害のケースではなおさらです。高次脳機能障害では適正な等級の認定を受けて適正な補償を受けないと本人及びご家族の生活が破綻してしまいます。
- 本ケースでも、保険会社が後遺症の申請手続きを行っていたのですが、その対応はずさん極まりないものでした。自賠責に提出された書類の内容も誤っており、必要な検査も全くなされていませんでした。
- 本来、加害者側である保険会社は被害者と利益相反関係にあるため、後遺症の申請手続きを行ってはいけないのです。
- 高い等級が認定されれば高額な賠償額を支払わなければならない保険会社は制度の仕組み上、真剣に後遺障害等級を獲得するために活動することはありません。むしろ、後遺障害等級を否定する材料を探すために必死で活動します。このことは、保険会社は、自賠責で認定された後遺障害等級さえ否定して争ってくることから(特に賠償額が高額になる高次脳機能障害のケースでは)しても明らかです。保険会社と被害者は向いているベクトルがそもそも逆なのです。
- 本来であれば、頭部外傷の高次脳機能障害が問題になるケースでは、保険会社は、被害者側と利益相反関係にたつので、真剣に後遺障害等級獲得のために活動することは制度の仕組み上なく、高次脳機能障害に高度の専門性と実績がある弁護士に依頼すべきことを被害者本人とご家族に伝えるべきなのです。
- しかし、保険会社が、そのような対応をとることはありません。ですから、被害者とご家族の方は自己責任として、自分達で高次脳機能障害に高度の専門性と実績がある弁護士を探して依頼しなくてはいけないということをしっかり理解しておく必要があるのです。
2 子供の高次脳機能障害のケースの特殊性
- 子供の場合には、大人の場合と認定の方法が異なり、高次脳機能障害の等級の認定を受ける難易度が大人のケースよりも高くなりますので、子供の高次脳機能障害については大人の場合よりもさらに一層実績がしっかりある弁護士に依頼する必要があります。
- 当事務所では、これまでに子供の高次脳機能障害のケースでいくつも適正な等級の認定を受けていますので、安心してご相談ください。
3 頭部外傷で12級13号の認定を受けている方は要注意であること
- 頭蓋骨骨折や脳挫傷等の頭部外傷の事案で後遺障害等級12級13号の認定を受けている方は要注意です。本ケースのように、本来は高次脳機能障害としてもっと上位の等級が認定される可能性があったにもかかわらず、保険会社がずさんな後遺症申請手続きをしたために12級13号しか認定されなかった可能性が強いからです。
- 当事務所では、本ケースのように、頭部外傷のケースで、保険会社に後遺症の申請手続きを任せた結果、12級13号しか認定されなかったため、異議申し立ての手続きをとって上位の等級をいくつも獲得しています。それぐらいずさんな後遺症申請手続きにより不利益を受けている被害者の方は多いのです。
- できれば、早い段階からご相談してほしいのですが、それでも、もし頭部外傷のケースで12級13号が認定された方は、間に合うかもしれませんので、ご相談ください。